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小野不由美のホラー小説といなだ詩穂画による漫画・ゴーストハント。ナルが所長を務める心霊現象調査事務所渋谷サイキック・リサーチ(SPR)で、麻衣がリンに怪我をさせてしまったことがきっかけとなり、アルバイトを始めてからがストーリーが本格的に始まります。

心霊現象がゴーストハントの物語の軸になっていますが、霊だけでなく恋愛要素も物語の中に含まれています。恋愛の中心は主人公の麻衣とSPRと所長のナル、そして真砂子です。

恋愛とはいっても、真砂子と麻衣が思っているだけで、ナルの真意はよく分かりません。しかし、ナルが時々麻衣に優しい態度をとったりするので、それで麻衣も少しずつ意識してしまうようになるのです。そして真砂子も、好きなのに麻衣にだけ優しい態度をとるナルに嫉妬するのです。

因みにナルと麻衣の恋模様は、ファンの間では当たり前のように思われており、ナル×麻衣でナル麻衣というNLのカップリングまであります。では実際、ゴーストハントの物語においてどのようなナル麻衣を臭わす描写があったのか、ご紹介していきましょう。

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全ての始まり、1巻にあるナル麻衣要素!

ゴーストハントは小野不由美による原作小説が7巻、それを元に描いた漫画版が7巻あります。1巻では麻衣がSPRでアルバイトをするきっかけとなる事件の「悪霊がいっぱい!?」でほぼ構成されています。

麻衣の通う高校の旧校舎で心霊現象が発生し、SPRが調査にやってきます。麻衣は機材を壊してしまい、調査の手伝いをすることになる、という内容です。常に傲岸不遜で鼻につくような言い方をするナルに、麻衣も最初はイラつきながら手伝いをします。ですが、段々と打ち解けて、良くやったとも褒めてもらえるようにもなります。

ナルの他にもぼーさんやジョンなど後に仲間になるメンバーとも出会い、段々皆と別れるのが寂しくなってきます。しかし調査が終わりみんな帰ってしまった数日後、麻衣にナルから事務所でアルバイトしないかと誘いの電話が来て、麻衣も喜んで了承します。

ナルは麻衣のことを使えないと思っていなかったということだと思われますが、それと同時に麻衣の孤児だという境遇に同情していたのだということも、後から分かります。ナルの鞭ばかりだと思っていたら褒めてくれる、ちょっとした優しさが感じられます。

ナルは最初は機材を置け、というだけでその機材がどんなものかという説明は一切しません。それに腹が立った麻衣は機材を踏んでしまうかもしれない、と脅して機材の説明をさせます。傲岸不遜なナルを脅し説明させるとは、麻衣にしか出来ないことです。ここにもナル麻衣の要素がありますね。

麻衣を励ますナルの優しさに読者はキュンとします!

漫画版ゴーストハントの2巻には、原作の「人形の家」と「放課後の呪者」で構成されています。2つの作品で特にナル麻衣の要素が強いのは「放課後の呪者」です。とある高校に怪事件が頻発し、SPRが調査します。すると超能力を持っている少女・千秋の仕業だという人がおり、それが本当なのか本人と会って確かめることになります。

千秋はスプーン曲げが出来ましたが、超能力者ではよくあるような不安定さがありました。でも学校側は嘘つきだと決めつけていました。ナルは彼女を信用させるために、力を使ってスプーン曲げをしますが、麻衣にはこのことを黙っていてくれと頼みます。

麻衣がそれを了承すると、ナルは照れたような表情をします。それに麻衣はドキッとする、という展開になります。ここにも読者がニヤリとするような、ナル麻衣要素があります。

2巻での最大のナル麻衣要素は、麻衣が相手の術中に嵌り、子供が落ちたと思ってマンホールの中に足を入れ、霊に足を引きずられてナルも一緒に中に落ちてしまいます。麻衣は落ち込みますが、意中の相手と一緒にいることに喜び、落ち込みから浮上します。

ナルは麻衣のことをよく見ていたようで、「麻衣は落ち込んでから前向きになるから、顔で分かる」と言って微笑します。次いでナルは麻衣を慰めようと、コインを使って手品を披露します。ここで麻衣は、私を励ましてくれているんだと、ナルの優しさにキュンとして、読者もナル麻衣にキュンとするのです。

真砂子が嫉妬するほど麻衣とナルは仲が良い!?

3巻に収録されている「禁じられた遊び」では、有名私立高校で多発する怪事件が、SPRによる調査で、ゴーストハンターと言う将来の夢を馬鹿にされて自殺した少年の怨恨と、先生への不満や怒りを溜め込んだ、全生徒による蠱毒によるものだと分かります。

麻衣は先生だけが救われるなんて納得いかないと1人で除霊しようとしますが、返り討ちに遭って助け出されます。しかしナルは生徒全員分の人形をつくり、呪詛を返します。麻衣はナルに会いますが、ナルは酷い物言いをして悪かったと謝ります。

そんなナルに対して麻衣は、私が先に謝ろうとしたのにずるいと言うと、ナルは微笑み、麻衣は顔を真っ赤にします。可愛いですね。ナルは麻衣にだけ不器用な優しさを見せているようで、読者もそれが分かっているのでナル麻衣を微笑ましく見ているのです。

そして4巻には「血塗られた迷宮」が収録されています。増改築を重ねて迷路になっている古い屋敷。この屋敷に入った人間が次々に消えていくという不吉な噂が。霊能者に混じり、SPRも調査に乗り出すと、様々な怪奇現象が起こります。

この巻ではナル麻衣要素と言いますか、真砂子が麻衣に嫉妬するところが見られます。曰く、何故麻衣だけ呼び捨てなのかとか、仲良く喧嘩してるとか。可愛い嫉妬ですが、読者的にはやっぱり周囲から見てもナルは麻衣にだけ特別な様子を見せるんだなぁ、とナル麻衣を再認識させられるわけですね。

最終巻7巻でも、やっぱり麻衣にだけナルは優しい!?

5巻では「呪いの家」が収録されています。吉見家では、代替わりの時に必ず怪事件が頻発します。SPRは吉見家から依頼を受けて調査しますが、正体不明の霊にナルが突然倒れてしまい、以降ナル抜きで調査を続行することになります。

ナルが長期間不在なので、ナル麻衣要素はあまりないですが、その代わり真砂子と良い恋敵のような関係になります。「どうしてこの人が好きなんだろうと自分が可哀想になった」とか麻衣と仲良く言い合うシーンが見られて、真砂子が益々可愛く見れます。

6・7巻は「忘れられた子どもたち」の前後編で構成されています。SPR最後の事件に乗り出し、廃校になる小学校を訪れろと、昔あった悲惨な事故を麻衣は知ることになります。事件だけでなく、SPRやナル達のこと、麻衣が恋をしたのは本当にナルだったのかという色々な謎が7巻で明かされます。

7巻の終盤では、衝撃の事実を知った麻衣が泣き崩れますが、ナルはぞの傍でずっと付いていました。また、ナルの同情から麻衣が雇われたことを知ります。読者側から見ていても、やっぱりナルは、麻衣にだけ優しさを見せることがあるんだと思わせていて、加えてナルにも麻衣のことを好意的に見ている節はあるんじゃないか、とやきもきするのですよ。

まとめ 

ゴーストハントのNLカップリング、ナル麻衣に関して本編を振り返ってきました。ナル麻衣がどんなものか少しは分かっていただけたでしょうか?ここでナル麻衣のことをまとめます。

①全ての始まりの1巻では、傲岸不遜なナルが麻衣に言い負かされているところを見られる。

②2巻では、マンホールの中に落ちた麻衣を励まし、手品を見せるというナルの優しさと、麻衣のことをよく分かっているという、ナル麻衣要素が見られる。

③麻衣にだけ優しいナルと、それに気づかない麻衣に嫉妬した真砂子が4巻で見られる。

④最終巻の7巻では、やっぱり麻衣にだけ優しさを見せるナルの姿が見られる。

やはりですが、こうして内容を振り返ってみるとナルも少なからず麻衣のことを意識しているようにも見えるのです。ナルは絶対認めないでしょうが、女子メンバーの中で対等に扱っているのは麻衣だけだと思うのです。

残念ながら本編と続編1作品でゴーストハントは中断されていますが、もしも将来続編が出たら、是非ともナルが麻衣のことをどう思っているのかとか、そういった描写を載せてほしいものです。

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