レッドデータガールのその後を描いた『氷の靴ガラスの靴』の内容をネタバレ!

2019年7月24日 2019年7月24日

過去にはアニメ化もされた荻原規子の小説『レッドデータガール』。和風ファンタジーで学園物と言う一風変わった作風で人気を集めました。計6巻で本編は終わっていますが、この度6年ぶりに続編スピンオフが発売されました。

今回この記事では、本編とその続編スピンオフのネタバレを中心に書いていきたいと思います。

Contents

1 和風ファンタジー、『レッドデータガール』!
2 6年ぶりの続編、『氷の靴ガラスの靴』
3 甘い雰囲気が漂うのも続編の醍醐味です!
4 まとめ

和風ファンタジー、『レッドデータガール』!

2012年、第6巻で終了を迎えた荻原規子の小説『レッドデータガール』ですが、後日談も交えたファン待望のスピンオフ、『氷の靴ガラスの靴』が2018年、およそ6年ぶりに発売されました。

レッドデータガールの主なあらすじとしては、世界遺産にも認定されている熊野の山奥、そこで神社の孫として、穏やかな日々を過ごしていた主人公・鈴原泉水子が特殊な力に目覚め、同じような力を持つ少年少女が秘密裏に集まる鳳凰高校に進学することになる、という風なストーリーとなっています。

臆病で内気で自分に自信が持てない泉水子と、彼女の家系を守る山伏の家系に生まれた少年・相良深行との恋模様や不思議な現象、それに纏わる冒険を描いた和風ファンタジーになっています。しかし、前巻通してあくまでも主体は2人の恋模様です。

タイトルにあるように、レッドデータ所謂絶滅危惧種という意味の単語が入っているように、希少で特殊な力を持つ泉水子が絶滅危惧女子、ということでもあるので、作中では泉水子が世界遺産とか人類滅亡とか物騒なことが綴られていたりしますが、最終巻では山頂で深行が人類滅亡の未来を回避するんなら自分たちで研究すればいい、俺を頼れ、と泉水子に告げる場面で終わっています。やっぱり主軸は2人の恋の関係性なのですね。

6年ぶりの続編、『氷の靴ガラスの靴』

レッドデータガールの本編6巻は、全て泉水子視点で描かれ、彼女の恋模様と周りで起こる騒動が書かれていましたが、続編スピンオフの『氷の靴ガラスの靴』では、彼女以外の登場人物の視点から物語が綴られます。

表題作の「氷の靴ガラスの靴」から始まり、「九月の転校生」、「相良君は忙しい」、「影絵芝居」の計4つのストーリーが1冊に納められており、表題作は泉水子の友達で忍者の家系の宗田真響視点、そしてあとの3つが深行視点で書かれています。

深行視点の3つの話では、主に回想目録的な感じであの時深行は泉水子のことをどう思って反応したのか、とか本当は覚えていたけど、泉水子が覚えてないって言ったからカチンと来て覚えてないと嘘をついた、というようなことも書かれています。

小説でもアニメでも、深行は序盤泉水子を敵視してましたが、修学旅行からは段々軟化していきます。その過程で深行が何を思っていたのかも知れます。泉水子の前では余裕綽々という風に装っていた深行ですが、内心では焦ってたとか、気にしてない風だったけど内心気にしてたとか、そこはかとなく年相応の可愛さも窺える内容になっています。

甘い雰囲気が漂うのも続編の醍醐味です!

3つは深行視点の回想録ですが、表題作の『氷の靴ガラスの靴』は、真響視点からなる本編のその後の物語です。泉水子の口から深行とキスをしたという口質がとれたり、開催されるスケート教室が真響のお婿さん探しと分かり、何の抵抗もなく深行を彼女のガードマン役に貸し出す、友達想いの泉水子の姿も確認できます。

泉水子は深行と無事に?恋人同士になれた訳ですが、真響にはお相手がいませんでした。本作ではその相手役に、同じく忍者の家系の先輩である早坂先輩が登場します。真響自身も恋心を自覚しているですが、正直気に掛ける程度の描写なので、この関係性がどうなるかは、読者の想像と作者次第でしょう。

本編では、泉水子に対して辛辣な態度を見出ている時もあった深行ですが、本作ではスケートは手を繋げるから良い、とか甘い空気にならなくて残念とデレデレな様子が拝めます。この時点では、まだ真響の相手役なのですが、果たして泉水子に対してこんなデレデレで本当に大学合格まで関係を隠し通せるのでしょうか。途中で絶対ボロが出そうな気がします。