妖怪や幽霊など、オカルトを扱う漫画は沢山あります。特に今回の『真夜中のオカルト公務員』は、それらが引き起こす事件に対応する公務員、という意外な構図で物語を進めていくという、これまでになかった作品です。
そんな珍しさで話題の作品から、今回は新宿以外の交流課についてや、主な登場人物3人にスポットを当て、其々の紹介をしていこうと思います。
人間関係もオカルト公務員は見所です!
たもつ葉子のよる漫画『真夜中のオカルト公務員』は、新宿区役所にある「夜間地域交流課」に所属している面々が、俗に「アナザー」と呼ばれるオカルトの類が引き起こす数々の事件を、警察などを連携しながら対応していく様子を描いた作品です。
アナザーが話の中心になっていますが、それを取り巻く区役所の面々も、見目の麗しい人ばかりです。また、彼等にも其々何やら事情があるようなので、その秘密もストーリーが進むにつれて解き明かされていくようです。
新宿区役所だけでなく、他の区の交流課の職員も度々登場し、ストーリーに関わってきます。アナザーを怖がっている人、またアナザーを不要な物として排除する人、はたまたアナザー案件専門に請け負う刑事さんもいます。人間関係を見るだけでも面白いです。
一番人気の交流課、セオ!
そんな夜間地域交流課のメンバーの中でも、特に人気で特徴的なのが姫塚セオです。苗字や名前からしても中性的ですが、本人の容姿はもっと中性的で、本作の主人公の新も、初対面のときはセオを女性かと間違えた程でした。
セオはアイルランド人の父親と、日本人の母親の間に産まれたハーフで、現在日本国籍を取得している元イギリス人です。日本が好き、そしてアナザーの和洋折衷具合が良い、という2つの理由で日本に帰化した経緯を持っています。
中性的な可愛らしい外見からすると意外ですが、彼は39歳というアラフォーで、榊のもっと前から交流課に勤めていたようです。性格は見た目に似合わず豪胆で男前、後輩の新を警告しながらも庇ったりする、面倒見の良い先輩の1人です。
更に言うと、彼は「アナザー業界の錬金術師」と呼ばれている程に開発が得意で、アナザーが見えない人にも見えるよう、イブン=グハイスプレーを開発し、常に使用されているくらいの腕を持っています。
元ホストと安倍晴明が祖先の公務員!?
そしてセオの同僚で新の先輩の1人が、交流課の業務リーダーの榊京一です。元はホストをしていましたが、交流課になってからは真面目に仕事に取り組み、新にも厳しく、時には優しく接する面倒見の良い先輩です。
28歳の彼は、17年前の11歳の時に実の姉をアナザーにより連れ去られ、行方不明になっていました。そして新が就職してしばらく経ってから都内女子行方不明事件が発生、榊は姉を連れ去った者と同一犯だと確信し、新にセオには内緒で助力を頼みます。
結果的にセオにはばれてしまいますが、3人で捜査を進め、事件の首謀者であるアナザー、アザゼルと接触し、彼の想い人を蘇生する儀式の失敗により、榊の姉を含む被害者たちは無事戻り、榊は17年ぶりに姉と共に過ごすことが出来るようになりました。
主人公の新は、普通は聞こえないアナザーの声が聞こえるという特殊能力の持ち主で、それ故にアナザー関連の事件に次々と巻き込まれます。更に言うと、彼の祖先は阿倍晴明で、その顔は新と瓜二つで、特殊能力もそこから来てるんじゃないかと言われています。
真面目で優しく度胸が据わっており、それはアナザーにも向けられますが、8割がたそのような性格の所為で事件に巻き込まれているので、先輩2人には警戒心を持てとよく説教と警告されています。
まとめ
ここまで夜間地域交流課の主な3人の詳細をご紹介してきました。今回紹介したことを、簡単に書き出していきます。
①アナザー関連だけでなく、其々の区の交流課との人間関係図も面白い。
②姫塚セオは中性的な容姿の交流課の1人で、発明が得意な39歳。
③榊京一は元ホストの肩書を持ち、古宮新は特殊能力を持つ後輩で主人公。
『真夜中のオカルト公務員』は、アナザーに関する事件が主ですが、それだけでなく交流課の人間関係や、個々のアナザーに対する姿勢、事情なども含まれており、それも魅力の1つです。
他にも新宿交流課の上司は、榊をスカウトした人でセオの同期だったり、アナザーに対して新と根本的に分かり合えない思想を持つ人も出てきます。
アナザーや事件だけでなく、人間関係図も分かると、面白さが倍増しますよ。
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