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乙一は、ライトノベルやミステリーを中心とした作風で人気の小説家です。ホラーや恋愛など様々なジャンルの作品を手掛けています。1996年にホラー小説『夏と花火と私の死体』で17歳でデビューし、以降『GOTHリストカット事件』等の話題作を何十作も世に出してきました。

乙一の作品の中には、『きみにしか聞こえないCALLING YOU』や『失踪HOLIDAY』など、映画やドラマ化などのメディアミックスもされたものが幾つもあります。どれ程乙一の小説が人気か分かりますよね。

そんな人気小説家、乙一の数ある作品から特に私のおすすめ作品を、今回は紹介したいと思います。

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乙一おすすめ小説第一作目、『銃とチョコレート』について!

おすすめ第一作は、2006年に発売された『銃とチョコレート』です。少年少女向けのライトな作風ですが、作中の描写や中盤以降のストーリーから、乙一らしさが垣間見られます。

大富豪の家のお宝のみを盗み続ける大悪党・ゴディバと、国民的な名探偵・ロイズの対決が世間の的になっている中、少年・リンツが手に入れた地図が事件解決の鍵になるのか?ロイズは地図を手にロイズと冒険の旅に出る――。

上記のあらすじからも読み取れるように、作中の登場人物や地名には、実在している有名なチョコレートのゴディバやリンツ、ロイズにゴンチャロフ等が用いられています。読んでいても涎が垂れそうになり、チョコレートが恋しくなるので、是非傍らにはチョコレートを置いて読んでください。

探偵や冒険、舞台設定など、ファンタジーミステリーの王道ともいえる要素を詰め込んだ作品で、流石はライト向けと言うべきか、子供から大人までスラスラと読めます。ライト向けと言いながらも、乙一らしい引っ掛けや謎解き要素もあるので、乙一ファンの方も満足出来ると思います。

乙一の爆笑エッセイ『小生物語』とは!

おすすめ第二作目は、2004年発売の『小生物語』です。乙一による虚構交じりの、日記形式のエッセイになっています。ブログに掲載していた話を基に、加筆修正した作品です。今までのホラーやおどろおどろしい乙一の作風とは全く異なる、非常に楽しい小説です。

このエッセイは「小生」と言う人物が書いている、という体らしいのですが、乙一の趣味嗜好や、日課のルーティーン等がちょっと分かります。

楽しい、と書きましたが本当に面白い作品です。くだらないくらい面白いと言いますか、何も考えたくないとき、八方ふさがりになってしまったときに笑ってリラックスできるような感じです。

明らかに嘘や誇大妄想と思われることをつらつらと書き、くだらないことを鮮明に書いている面白さ、腹を抱えて笑う面白さもあります。個人的には某ドーナッツ店インスピレーションが浮かんで書いていた原稿に、砂糖をたんまりと入れたコーヒーをこぼしてしまって「ヤッベェ‼」という所が特に面白く、吹き出してしまいました。

あとは閉店後のショッピングモールに取り残されたとか、腰痛の原因は意外な物だったとか、とにかく虚構交じりの短文中心のエッセイが綴られています。私の文章では面白さがあまり伝わらないと思うので、実物を見たい方は是非購入してください。

乙一衝撃のデビュー作、『夏と花火と私の死体』!

おすすめ第三作目は、乙一のデビュー作『夏と花火と私の死体』です。9歳の女の子が恋心を抱いていた少年の妹に、木から突き落とされて死亡します。ここで既に衝撃的ですが、ここからは死体となった女の子視点で物語が展開されていきます。

死体視点で語られるということが読んだ当時の私には衝撃で、次いで乙一が16歳の時に書いた小説だということも驚きでした。16歳の時とか、私ボーっとして頭の中パッパラパーだったわよ…という切なさが胸を過ぎりました。

突き落とした女の子とその兄が私の死体を隠し通そうとするのですが、子供なだけあって大人にはない、純粋な残酷さがあります。例えるなら、アリの巣穴に水を一杯入れて巣ごと殺してしまう行為という感じです。善悪が理解できていない分たちが悪いのです。

死体視点で語られるホラー小説なので、じめじめした暑さが続く夏の夜に読むのにピッタリな作品です。最初の作品ということもあり、未だ真の乙一特有の残酷描写には程遠いですが、その分ある程度は気軽に読める小説になっています。

まとめ 

作家・乙一の個人的おすすめ小説3作をご紹介しました。あなたの好きな作品は入っていましたでしょうか?その3作のまとめを、ここでしましょう。

①おすすめ小説1作目のチョコレートをストーリーの中に散りばめた『銃とチョコレート』は、ライト向けなファンタジーミステリー。

②『小生物語』は、乙一の虚構入り混じる独自のエッセイで、おすすめ小説2作目。

③『夏と花火と私の死体』は乙一のデビュー作で、おすすめ小説3作目の子供特有の残酷さが漂うホラー小説。

今回紹介した作品以外にも、残酷描写が要らないくらい丁寧に綴られている『暗黒童話』や疑似誘拐を描いた『失踪HOLIDAY』など、名作が沢山あります。

作品の都度に描写・作風を変えて読者を楽しませてくれるのが乙一の良い所なので、どの作品から手に取っても、きっと面白いと思わせてくれることでしょう。

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