エクスペリエンスから2017年に発売されたゲーム「死印」は、記憶を失った主人公が、気が付いたら九条館という個人の館に行き、ポケットに入っていた九条サヤの名刺を手掛かりに、九条屋敷に足を踏み入れますが、中では女主人の九条サヤの奇妙な死体があった、というところから始まります。
その後、主人公は九条館に仕えているという可愛らしい喋る西洋人形、メリィと出会い彼女から主人公の右手に刻まれた痣、シルシなどのことを教えてもらい、今後も彼女から様々なアドバイスを受けることになります。
では、このメリィという西洋人形の正体は一体何なのか?主人公たちにどういう関わり、因縁があるのか?それらメリィについて気になることを、この記事で解説していきたいと思います。
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ゲームの案内人・メリィについて
主人公が九条の洋館の扉を開くと、そこには美しい西洋人形・メリィが赤いソファーに座っていました。主人公はメリィからこのままではシルシにより死ぬこと、ただ助かる方法がゼロでないこと、そしてメリィが館の女主人であり亡くなった「九条サヤ」に代わり印人を救済が目的であることを語ります。
そしてシルシを付けられると記憶障害に陥り、コミュニケーションが難しくなり、実質印人のパートナー達にも各章のシナリオの途中から、まともに喋られなくなる描写も出てきます。この記憶障害の影響で、主人公が九条低にいたこと、名前を思い出せなくなっているようです。
また、メリィから印人は主に昼間でなく、夜に行動することが望ましいとも言われ、以降探索は深夜に行われることになります。そして夜が明けると共に、九条低に戻り休息をとり、また夜から活動するというスタンスになります。
このように、ゲーム序盤では主人公・プレイヤーの良き案内人のようなメリィですが、その本性が表れるのは第5章からになります。
ゲームの重要人物、黒ウサギの正体とメリィとの関係とは!?
メリィと共にこのゲームで外せないのが、各章の大事な場面で登場し、主敵か味方か分からないのに、主人公を助けて導いていく黒いウサギです。実はこのウサギ、正体は現世に留まった九条サヤです。ウサギになった九条サヤが、メリィや怪異から主人公達を助けようとしていたのです。
しかし第3章「くちゃら花嫁」の序盤、主人公とパートナーの有村クリスティは、九条家の氏神様でもあるH神社に向かいます。メリィも主人公にお姫様抱っこしてもらって一緒に神社に行きます。
神社に行く途中、あの黒いウサギになった九条サヤも登場します。メリィとウサギはこの時が初対面ですが、何を隠そう九条サヤを殺害したのはメリィです。自分を殺した人形と、助けたい主人公が一緒にいるのです。九条サヤはどう思ったんでしょうか。
第4章「ずう先生」の途中で、メリィとウサギは死に、壊れてしまっている所を主人公達は目撃します。メリィにウサギとなった九条サヤが襲い掛かって壊したのです。そしてメリィが壊されている以上、案内人がいない状態でゲームは進行していきます。
全ての原因、メリィの正体と主人公との関係とは!?
5章のボスを倒し、ラスボスのメリィを封印してゲームは終結します。主人公は怪異がいる地下壕で、彼に5年前と10日前に会っているというバンシー伊東に出会います。そしてシルシが消えて記憶がはっきりしたバンシーから、主人公が怪異が動いた原因を「アイツ」だと言っていたことが分かります。
H神社に向かうバンシーと主人公ですが、怪異の原因を封印する道具が既に無くなっていることに気付き、全てを思い出した主人公は最終決戦のため、全ての元凶がいる九条低に向かいます。
屋敷に入った主人公は、壊れた筈のメリィと再会します。実はメリィこそが主人公にシルシを刻んだ張本人でした。メリィは印人達が怪異に直面して恐怖する姿を見ることに、喜びを覚えていました。
印人の行動を夜間に限定し、外部の人間との接触を極力避けさせたのも、全てはする印人を極限状態まで追い込むという、悪趣味極まりないメリィの方便でした。そして主人公は九条サヤの兄で九条家当主だった、九条正宗だったのです。
とうとう決着!メリィとの最終決戦!
正宗の先代の当主に50年前に力を封じられたメリィは、5年前に九条家の倉庫で封印から目覚め、完全に力は戻っていませんが、目覚めただけでも亡くなった者の無念を怪異に遂げさせるという、恐ろしい力を持っていました。この力で怪異になったのが、花彦くん、くちゃら花嫁、森のシミ男です。
メリィは目覚めた怪異たちに、シルシを刻むという力を授けました。メリィは人を恐怖に陥れ、それを感じることが大好きだったのです。主人公は頭に響く九条サヤの声を頼りに見つけ出した念持仏を、全ての元凶にして、おぞましい姿になり果てたメリィの右腕にあるシルシにかざすと、人形は粉々に砕け散りました。
メリィとの決戦後、政宗はボイスレコーダーを見つけます。それは過去の自分からのメッセージと、ここまでに至る経緯をメリィにばれないように録音した物でした。メリィを封印した曽祖父は急死し、メリィの対処法が子孫に伝わっておらず、正宗がその情報を集めに海外に向かい、日本では行方不明扱いにして、サヤが九条家当主を継いだことが語られていたのでした。
まとめ
ここまでホラーゲーム「死印」の重要キャラクターにして諸悪の根源・メリィについて語ってきました。書いてきたことをここでまとめます。
①ゲーム序盤でのメリィは、プレイヤーにとっての良き案内人のような存在になっている。
②ゲームで主人公を導く黒ウサギの正体は九条サヤであり、4章ではウサギとメリィの変わり果てた姿が描かれている。
③5章終盤で主人公は全てを思い出して九条低に向かい、本性を現したメリィと対峙する。
④メリィは曽祖父により封印された人形で、思念を怪異にするという恐ろしい力を持っていた。
メリィは正宗により壊されますが、再び復活を遂げており、復活防止の霊的処置を施しても数十年後には力を取り戻してしまいます。それを危惧した正宗は、人形を滅ぼす方法を見つけると決心します。
正宗は兄妹作品の「NG」でも名前やその後の足取りが窺えることができます。正宗だけでなく、他の登場人物の名前も登場しますので、気になった方は是非プレイしてみてくださいね!
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