多数のオカルト、アナザーが登場することで知られるたもつ葉子の『真夜中のオカルト公務員』ですが、中でも琥珀/ウェウェコヨトルは、主人公の新を翻弄して楽しむという悪趣味な姿で描かれていますが、同時に物語の重要的な存在になっています。
今回はそんな琥珀と、本作で描かれた都内女子行方不明事件の首謀者・アザゼルについてご紹介していきたいと思います。
アナザーに翻弄される新たち!
『真夜中のオカルト公務員』は、たもつ葉子による漫画で、今年の4月から1クールでアニメ化もされた人気作品です。一般人には通常感知不可能な、一般的に「オカルト」と呼ばれる存在を専門用語の「アナザー」とし、それ関連の事件対処に奮闘する、新宿区役所夜間地域交流課の話を描いています。
事件を対処はしますが、解決ではなく警察と連携し、アナザーを特殊な道具を使って隔離するというような対応を主にします。基本的にアナザーは人間と相いれないので、人間界の普通を解いても無駄、という考え方になっています。
特に、本作の主人公の古宮新はアナザーの声が聞こえるという特殊能力を持っていますが、実践経験が無く性格もお人よしなので、アナザーに対しても、人と同じく警戒心0の状態で接するので常に何かの事件に巻き込まれている状態であり、それに榊やセオも巻き込まれている感じです。
退屈しのぎで人を翻弄させる琥珀とは!?
新率いる新宿区役所の面々が主ですが、主要用語であるアナザーも、多種多様に出てきます。特に、重要アナザーとして物語に絡んでくるのが、ウェウェコヨトル / 琥珀です。新に似た顔の祖先、安倍晴明に「琥珀」と名付けられたアステカ神話の神、ウェウェコヨトルです。
アステカ神話でも、音楽などを好む一方で自分の退屈しのぎに人や神に争いを起こさせるなど、自分が楽しめれば良し、というような残忍な面を持っているように書かれています。
本作でも、ウェウェコヨトル自身が友達と言っている新でも、アナザー関連の危険な事件に巻き込ませて反応を楽しむなど、残忍且つ悪趣味な面が所々で確認できます。初対面時でも認識の無い新に、「晴明と認めないなら死ね」と言う風に取れる言葉を送り、半強制的に晴明だと認めさせました。
また、新の幼馴染みでヒロインの松野泉美も巻き込まれた都内女子行方不明事件でも、首謀者で亡き恋人を蘇らせようとしていたアナザーのアザゼルに加担し、泉美の腕が蘇生に最適だと助言しています。
アナザーは根本的に人とは違う?
しかし、その事件で琥珀はケルベロスに襲われそうになる新を助けています。ケルベロスに対して本気で怒っているので、弄り甲斐のある友達で反応を見るのも楽しいけど、殺されるのは別の話、という風に新を見ているのかもしれません。
この事件の首謀者で、堕天使として知られているアナザー・アザゼルは、天使時代に人間の少女と恋に落ちるという禁忌を犯して堕天使となり、その少女を蘇らせようとして少女の魂を捉え、その魂に合う器として都内の女性たちの身体の一部ずつを組み合わせて完成させようとしていました。
結果として少女は蘇りましたが、度重なる蘇生に絶望し「殺してくれ、解放してくれ」と叫びながらアザゼルに殺され、再び無に帰りました。少女は1度だけの恋で執着心は無くても、アザゼルは凄まじい執着心でこの世に蘇らせようと何十回、何百回もの儀式を行っているので、そこら辺が人とアナザーとの違いでしょう。過ぎた執着心と愛情は、時には絶望する度の暴行、絶望となるのですね。
まとめ
『真夜中のオカルト公務員』登場するアナザーの中から、最重要ともいえる琥珀と事件の首謀者のアザゼルを今回は紹介しました。綴ったことを簡単に書きます。
①『真夜中のオカルト公務員』は、オカルトと呼ばれるアナザーが多数出演する。
②琥珀は新の祖先の晴明の友達だが、危険な目に合わせようとする残虐性がある。
③アザゼルは琥珀の助言で少女を蘇らせたが、絶望した少女を違う物として殺した。
今回紹介したアナザーもですが、きちんと史実や伝承を参考にしてアナザーを描いているんだ、ということが分かります。琥珀のウェウェコヨトルもですが、知らないアナザーもネットなどで調べると、詳細が分かって楽しいかもしれませんね。
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