求人サイトや求人情報誌を見たことのある方なら分かると思いますが介護系の求人は常に数多くが掲載されています。
本来であれば書類選考→筆記試験→面接など何段階もの試験を繰り返し採用となるのが一般的ですが人手不足故に応募すれば確実に採用している施設も多く私が過去に応募した施設の中にはまるでアルバイトのように面接してその場で即採用する施設がありました。
採用後直ぐに何時から来られるのかなどかなり積極的に聞いてこられていましたがそれだけ人手不足なのだなと感じました。
この記事ではそんな私が開設する何故介護業界はこんなにも慢性的な人材不足なのかを解説します。私は介護福祉士の資格を持ち特別養護老人ホーム・デイサービス・グループホーム・障害者支援施設等で10年経験があります。
人手不足の原因として3Kがある
3Kとは「きつい・汚い・危険」の事です。介護業界では仕事量と給与が比例しておらず頑張っても給与が増えることは無く努力が報われることは殆どありません。その原因として施設の収入源の問題があります。
介護施設の収入の多くは介護報酬になります。事業者が利用者に介護サービスを提供した場合に、その対価として事業者に対して支払われる報酬のことをいいます。
介護報酬改定がされない限り全てのサービスに対し一律の報酬なのでどんなに頑張ったとしても利益アップにつながりはしません。また2時間3時間おきの排泄介助は一日を通して繰り返します。
別の作業が終わったと思ったらすぐに介助を行わなければならずベットの上で排便後の処理をしたりと大変な面もあります。他にも介護業界では医療機関ほどではありませんが夜間帯に突然様態が急変して救急車を呼ばなければいけなかったりそのまま亡くなられる場合もあります。
それにより支援者が加害者となるケースも過去には何度も起きており危険な面もあります。それらの原因が長年解決されることなく継続してきているがゆえに仕事を始めたいと思う方も少なければ続けて働きたいと思う方もおらず多くの方が数年で退職されています。
人材不足解決への対策
厚生労働省は介護職員のさらなる処遇改善のために勤続10年介護福祉士 月8万円を支給すると決定しました。これにより10年以上介護福祉士として勤務していれば上乗せされるので一般職と同等の給与が得られます。
しかし10年も介護業界で働く人は非常に数が少なく平均勤続年数は6年と該当者が殆どいません。他にもユニットケアが昨今多くの介護施設で導入されています。
これまでは利用者が多い故の問題があり同時に職員間での人間関係もあり嫌になって退職される方が居ましたがそうならない為に10人程度のユニットを作成しその中で全て行えるようにしているので重点的な介助が出来るようになっており職員も人が多い故のトラブルなどもなく同じメンバーで安心して働けます。
人手不足解決への実際の取り組み例
ある施設では女性が働きやすい職場環境を整える事を目的としています。介護業界では女性の職員が多く女性に働きやすい環境を提供するのは必須です。そこで産前産後休暇や子供に関する休暇などの制度を作りました。
医療福祉ではそういった休暇が取れない現状がある中で仕事もプライベートも両立できるようにしました。それにより女性職員の離職率が下がりました。
まとめ
介護業界における人手不足は今後深刻化していくことが予想されます。現状のままでは多くの施設が人手不足が原因で閉設を余儀なくされることは目に見えています。
国が政策を打ち出すのを待つだけでなく各施設もどうすれば離職率を下げ職員が安心して働ける職場を提供できるのかを考えなくてはなりません。
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