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認知症には様々な症状が存在します。一つ一つ対応方法を知っていれば難しい問題ではありませんが初めての方や介護の知識のない方にしてみればどうやって解決すれば良いのか
分からないのではないでしょうか。

この記事では介護福祉士の資格を持ち特別養護老人ホーム・デイサービス・グループホーム・障害者支援施設等で10年経験のある私だからこそ知っている幻聴への知識と実際に体験した幻聴のある方への対応についてご紹介します。

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認知症の症状である幻聴とは?

幻聴は認知症の症状の中でも症例としては少ないです。ただ認知症の一種である「レビー小体型認知症」の方においては珍しい症状ではありません。

主に周りに誰も居ないのに人の声が聞こえてくる。と言った症状が一般的です。幻聴自体は治療方法がありません。幻聴は統合失調症などの精神疾患でもありますがそちらは治療できます。

実際にあった幻聴の事例

ここでは特別養護老人ホームにて勤務していた時に実際に起こった幻聴への対応についてご紹介します。特別養護老人ホームに入居されていた80代の女性利用者Aさんは夜になると個室なのに「周りから声が聞こえてくる」「誰かが私を殺すと言っている」と言い出し騒ぎ始めます。

周りには誰も居ないことを説明しても納得はせず逆に職員に対し「何かを隠してる」「私を騙そうとしている」と不信感を抱くようにもなりました。認知症だから仕方がないと半ば諦めてしまう職員も居ました。

否定しない介護が幻聴解決への近道

幻聴に対しては「否定しない」事が大切です。これは幻聴に限ったことではなく介護をするうえで守らなければならない事です。何故なら相手はそれが「見える」「聞こえる」からです。

それなのに否定されては相手もいい気はしませんし不信感を持っても仕方ありません。
故に否定しないことが大切ですが逆に肯定すればいい訳ではありません。

何故なら肯定してしまうとそれが本当に聞こえているのだと確信を持ってしまいさらなる症状の悪化が予想されます。

まずは周りを一緒に確認してみましょう。本人から見えない位置を確認したり廊下に出て誰かいないか見るのも良いでしょう。幻聴は精神的な不安から来る場合もあります。まずは相手に安心感を与えることが大切です。

他にも部屋を明るくする方法も良いです。ご本人も周りに誰も居ないのだから声が聞こえてくるのはおかしいと理解されている事があります。でも部屋が暗くて見えない所があるから不安になってしまいます。

Aさんもそうでした。夜は部屋の電気を消すと小さな豆電球のみで薄暗く影になっている部分が多くAさんの寝ているベットからは見えないので不安になるのも仕方ありませんでした。そこで照明器具を交換し部屋内を広く照らせれるものに交換しました。

またそれまで荷物が雑然と置かれており家具なども適当に配置されていたために死角が多かったので部屋の配置を見直し片づけを行い不安要素を取り除くことにしました。

結果としてまだ幻聴を起こすことはありますが頻度が減ったのと発生時の対応が的確故に騒いだりすることなく落ち着いて就寝出来るようになりました。

まとめ

幻聴の中にも明らかにおかしな事はあります。私が過去に体験した中にも「耳元でお経が聞こえる」「死んだ息子の声が聞こえる」などです。

職員も周りの声や音を勘違いしてそう聞こえているのだなと幻聴に関してはそう思う事もありますがあまりにも内容が飛び過ぎていると不審に思ってしまう場合があります。
幻聴は認知症の症状なので変に思わず病気だからと理解するのが大切です。

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