スポンサーリンク

彩雲国物語には、独自の用語や国などの言葉が沢山出てきます。中でも彩八仙は物語の鍵を握る重要なキーパーソンで、主人公の秀麗自身にも深く関わってきます。加えて中国から伝わる道教にも彩八仙が関わっていることが分かりました。

今回は、彩八仙の仙人たちとその正体、そして道教との関わりを交え、解説していきます。

スポンサーリンク

彩雲国で登場する、彩八仙とは?

彩雲国物語で登場する彩八仙とは、本編から600年もの昔、彩雲国の建国前に初代国王で会った蒼玄王と約定を交わして国の平定に力を貸し、名君に相応しい王が現れたとき、宮城内の仙洞宮に集まる、8人からなり全員が色の名を冠した仙人たちのことをいいます。

この彩八仙のモデルについては、日本でいう七福神の位置にある、道教の彩八仙だという説が有力と言われています。成り立ちこそ全く違いますが、個々の特徴や持参している小道具が、彩雲国物語の登場人物のものと近いことが判明しています。

彩雲国物語は中華ファンタジーで、特に中国がモデルということが分かるものが、所々に散りばめられています。したがって、彩雲国の彩八仙と中国の七福神に当たる彩八仙がモデルという説、個人的には当たっていると思います。

紫仙は霄瑤璇!

彩八仙の1人、紫仙は朝廷三師の中の太師の位についている、霄瑤璇です。厳密にいつから太師である人間の姿をしているのかは不明ですが、劉輝の父で前王の戩華が王となる前からということなので、かなりの前からということになります。

彼の本来の姿は黒髪ストレートの美男子で、大切な人に会う時にこの姿をとるようです。1巻で茶太保が、劉輝の世話係として後宮に入った秀麗を毒殺しようとして、失敗した時。そして自害しようとしたときに、この姿で現れ、茶太保の命を奪っています。また、茶太保の妻である英姫に会う時も、おめかしの意味を込めてこの姿で会いに行っているようです。

中国版の七福神、彩八仙で霄瑤璇の位置に当たると言われているのが、張果老です。白い髭を伸ばして、中でも術に1番優れているそう。八仙の中では最年長であり、齢数は100歳だともいわれています。魚鼓という楽器を持っていて、白いロバに乗ってどこでも移動可能。白い髭と白いロバ、というところが霄瑤璇に当てはまるといわれています。

紅仙、藍仙はあの人!

唯一の女性である紅仙が、秀麗の母の薔薇姫です。過去には縹家に幽閉されていましたが、彼女を暗殺しようとした秀麗の父・邵可に一目惚れされて縹家から連れ去られ、後に夫婦となります。

夫婦となっていた頃は紅薔君と名乗っていました。紅薔君として家族と過ごした後は、秀麗の体の中に入ります。このお蔭で秀麗は、幼い頃の病弱な身体からうそのような健康体になります。

彼女の彩八仙のモデルは、何仙姑です。唯一の女仙ということが決まりと言われています。占いの神様で、雲丹を食べており、蓮の花を持っています。

そして藍仙は、藍龍蓮です。代々藍仙の器となるのは龍蓮の名を拝命した者とされています。彼の持っている天つ才は、藍家の切り札で、緊急事態の時には藍家当主の意見を覆すことも出来ます。

彼がモデルとなった彩八仙は、韓湘子です。予言と横笛の名人であることが理由です。名人ではないですが、横笛といえば龍蓮ですからね。

黄仙と茶仙は!?

黄仙は下町のお医者さん、葉棕庚です。秀麗のかかりつけ医でもあり、秀麗の母の紅仙とも馴染があります。本来の仙人の姿では若く、10代くらいに見えます。綺麗な女性が好きというちゃらい所もあり、熱中症で倒れた黄奇人の素顔を見た時は、デレデレしっぱなしでした。

医仙でもある彼には、過去に影月が一緒に暮らしていたお医者さん、堂主様とも呼ばれていた華娜を弟子に持っていました。モデルの彩八仙は、足が悪くて鉄の杖と瓢箪を持っているとされる、李鉄拐でしょうか。消去法とおじいさんっぽいところで。

茶仙は静蘭と腐れ縁で仲が良い燕青の師匠である、南老師です。「伝説の武闘派老師」と呼ばれている人物ですので、彼から手ほどきを受けた燕青がべらぼうに強いのも頷けます。燕青が貴陽に向かって不在となってからは、鄭悠舜を自ら進んで護衛していた良い人です。

モデルは呂洞賓でしょうか。破魔の剣と仙丹を授け、剣が持ち物とあるので、剣=武闘派ということで南老師だと思われます。

碧仙は秀麗と同期の義理の兄!?

碧仙は秀麗の同期で4位及第した碧珀明の義理の兄、欧陽純です。妻である歌梨が宝鏡山のご神体の鏡を作成している時に、操り人形と化した朔旬が現れ、殺されそうになります。欧陽純がそれを庇いますが重傷を受け、その後死亡して碧仙の器になります。

欧陽純は歌の才能が素晴らしい人物でしたが、昔、幽閉されていた歌梨を助けるために碧仙と契約を交わし、歌が歌えなくなりました。因みに碧仙自体は、自分が妻子持ちとなったことに対し、わくわくしているようです。

彼のモデルは多分曹国舅ですかね?弟が権威を振りかざして民を殺していく姿に嫌気が差し、修行するようになったといわれています。持ち物は雲陽板というカスタネットに似ている楽器。雲陽板と歌、どちらも音楽に関する所が似通っています。

黒仙は少し特殊で、契約者は凌晏樹ですが、その代償として異母兄弟の茶朔旬を差し出しています。その契約により、凌晏樹は茶朔旬を自由自在に操れるようになりました。茶朔旬が持っていた特殊な力も、黒仙経由で与えられていたものだと思われます。

黒仙、白仙はあの人!

茶朔旬は、菊の屋敷にいるときに青蘭と燕青に攻撃されそうになり、不意を突いて逃げ出すのですが、当の朔旬の姿は一瞬で瞬く間に消え、代わりに烏の大群が飛び去って行きます。この烏、黒仙の脇侍の名前が大鴉なので、ここでも黒仙の力であることを匂わせています。

モデルは狂人のように振る舞っていたかなりの美男子で、花籠を持っていた藍采和でしょう。かなりの美男子で、代償に異母兄弟差し出すくらい狂ってますしね。 

最後になりますが、白仙は杜影月の中におり、彼がお酒を呑むと姿を現す、陽月です。陽月が表に出てくることで影月の寿命が削られるのですが、努力むなしく影月の命が尽きます。その死んだ体の中で陽月が眠り、そのお蔭で影月は今まで通り生きることが出来ました。

影月が眠りについてからは、お酒を呑んでも彼が出てくることは無くなりました。モデルは酒飲みで文筆に優れていたと言われる漢鍾離で確定ですね。持ち物は酒瓶と死者の魂を蘇らせるといわれる扇、芭蕉扇です。

まとめ 

彩雲国物語で登場キーパーソン、彩八仙とそのモデルとなった中国版七福神、道教の彩八仙との関連性について解説してきました。それらを簡単にまとめたいと思います。

①彩雲国物語の彩八仙は、道教の彩八仙から着想を得ている。

②紫仙は霄瑤璇であり、白鬚と白いロバから、モデルは張果老と思われる。

③紅仙は秀麗の母、薔薇姫で藍仙は藍龍蓮。唯一の女仙と横笛を持っていたということから、モデルは何仙姑と韓湘子。名人ではないが。

④黄仙は町のお医者さん、葉棕庚でモデルは李鉄拐。茶仙は燕青の師匠である、南老師でモデルは呂洞賓。

⑤碧仙は欧陽純で、モデルは音楽繋がりで曹国舅と思われる。

⑥黒仙は凌晏樹、白仙は陽月であり、モデルは其々藍采和、漢鍾離。

こうして彩八仙を改めて見ると、秀麗の周りに仙人固まってるように見えますね。主人公だからでしょうか。茶朔旬に至っては、懐かれてお茶飲まなかったことが未練みたいになってますし。

影月は陽月と住むことで命を長らえてますが、秀麗は紅仙と一緒にいながらも命が持たず、30歳で亡くなっています。それ程子供を産むのは重労働ということでしょうか。とはいえ主人公で過酷すぎる人生を送っていたのですから、身勝手とは思いますが。もっと劉輝と一緒に、夫婦生活を満喫してほしかったですね。

<こんな記事も読まれています>

スポンサーリンク
おすすめの記事