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『八犬伝―東方八犬異聞―』は、角川書店から発売されている雑誌『エメラルド』にて連載中の漫画です。あべ美幸による作品で、綺麗な人物描写と明治・大正時代のような美しい風景とストーリーが人気で、現在18巻まで発売中です。

そんな八犬伝ですが、ボーイズラブを扱う雑誌に掲載されているから、そういった表現や身体に触れたりしているのかと思いきや、そうではありません。確かにBL的な発言はちょっとありますが、行為自体は全くありません。

しかし、醸し出されている雰囲気はBLに似ているので、見る人から見るとBLだと断言できるので、普通のBLよりも軽いソフトな似非BL、という表現が正しいかもしれません。
そして今回この記事では、そのようなソフトなBLの『八犬伝―東方八犬異聞―』のストーリーや沢山の魅力について解説していきます。

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八犬伝の気になるストーリーは!?

八犬伝といえば、江戸時代に読まれた曲亭馬琴の読本『南総里見八犬伝』を、最初に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実はこの『八犬伝―東方八犬異聞―』は、馬琴の八犬伝をモチーフにして描かれている作品なのです。

物語が始まる5年前に、疫病が原因で焼き尽くされた大塚村の生き残り、犬塚信乃、犬川壮介、浜路の3人は、村はずれにある教会で保護されて育ちました。村の消失事件以降、信乃と壮介の2人が、訳あって持っていた特殊な能力の噂を聞きつけた、帝都の教会本部からの召喚を断った所為で、浜路が攫われてしまい――!?

1巻のあらすじと始まりの感じはざっとこんな感じですが、それから犬神が守護として憑りついている里見莉芳に「八つの玉と持ち主を全て探し出せ」と言われ、その通り探し出すことになります。

そして同じ玉と不思議な能力を持つ仲間を集めていくなかで、彼等の様々な問題、信乃自身の出自の問題や運命と抗うことになるのです。『南総里見八犬伝』のモチーフとしては、八つの玉を集めること、8人の仲間やその周辺人物の名前が、『南総里見八犬伝』に出てくる八犬士と同じところです。

八犬伝がBLと言われる理由は!?

この八犬伝がBLだと言われているのには、掲載している『エメラルド』がBLを主に取り扱う雑誌だということと、犬塚信乃と犬山壮介との関係性と言動、犬飼現八の犬塚信乃への言動だと思われます。

作者のあべ美幸の作品は大抵がそうですが、「キミがいない世界などいらない」といいますか、そのような見様によってはBL基、共依存にも思えるような所があります。犬山壮介と犬塚信乃との関係性が幼馴染みであり、言動が共依存めいた所がちらほらあるので、BLだと思えるんですね。

犬飼現八は、幼馴染みで婚約者だった沼藺が、訳あって自殺したことを知って自暴自棄みたいになりますが、それを断ち切った後、義理の弟のような存在の小文吾に「次は気が強くて死ななさそうな奴を選べ」と言われ、自分の顔を覗き込んだ信乃に条件が合うと納得し、以降、信乃に気があるような言動を仄めかしていくのです。そこら辺もBLだと思われている一端じゃあないでしょうか。

あとは、BLに直接関係あるかは分かりませんが、大体出てくる主要人物が美男美女なのも特徴ですね。特に莉芳とか絶世の美男子ですし、他も引けをとらないくらいの美形として描かれています。浜路を始めとした女の子も、可愛い子や美人が多いです。

『南総里見八犬伝』にはない、妖怪要素が軸になっている!?

『南総里見八犬伝』も、化け猫とか出てる所を見ると一種の妖怪とか出てくるある種のファンタジーと見受けられますが、あべ美幸の八犬伝の方も、妖怪などの存在が軸として出てきます。

犬塚信乃は妖刀・村雨をその腕に宿しており、村正自身も喋る烏として登場していますし、他にも鬼とか大蛇とか狐とか出てきます。というより、妖怪的な存在がいなければこの物語は成立しません。妖怪が人間に力を与え、それにより生きながらえている者が殆んどだからです。

莉芳を始めとする4家も、犬神憑いていたり、猫又が憑いていたりして帝都を守っているので、この4家が無ければ信乃も帝都に来てませんし、何より八犬伝ではなくなります。したがってこの妖怪や一種の化物と言った要素は、あべ美幸の八犬伝にとって、無くてはならない要素なのです。

まとめ 

ここまであべ美幸による漫画『八犬伝―東方八犬異聞―』についてのストーリー紹介や魅力について語ってきました。今回書いた概要をまとめます。

①『八犬伝―東方八犬異聞―』は『南総里見八犬伝』をモチーフにした漫画作品であり、八つの玉と持ち主を探すことからストーリーは始まる。

②この作品がBLだと言われるのには、登場人物同士の共依存や気があるような言動をしたり、登場人物の殆どが美男美女だから。

③本作は妖怪といった存在がいることでストーリーが成り立っている。

確かに見る人が見ればBLかと思われるかもしれませんが、普通に男同士、幼馴染み同士の友愛、親愛を描いた作品だと思えば期にはなりません。なにより表紙で分かりますが、イラスト自体が繊細で綺麗なので、私個人としては、もしも画集などが発売されたら欲しいくらい、気に入っている作品の1つです。

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